すみません、こっちを先に書かせてください。
というわけで、新井素子『ブラック・キャット』シリーズの最終作、 『チェックメイト』の連載が始まりました。
正直、ここから読み始める今のCobalt読者が、これを読んでどう思うのかは さっぱり検討がつきません。が、少なくとも昔のコバルトを読んでいた 読者に対しては、「ちゃんと続きに、ちゃんとコバルトになってます。」と 言えるものになってました。よかった。いや、そりゃ確かに説明はちょっとくどいし、 時間軸は無視しているし(携帯電話が出てくる)、 作者の一人称モードではあるのですが、このシリーズを読んできて、 そして続きを読みたいと思っている読者なら、 あんまりそういうことは気にしなさそうですし。
先ほど、暫定的に、「ミステリ系読書されてますリンク」というコンテンツを 公開しました。いや、 「ミステリ系更新されてますリンク」と 差し替えてしまいました。
きっとこれで不便を感じる方が多数いらっしゃるんじゃないかと思います。 ごめんなさい。でも、あのURLにこのコンテンツを置くことが、私にとっては 重要な事だったのです。
今回の措置の発端は、もちろん、 郭公亭さん(2003/07/12 (土))の指摘です。 ネット書評は均一化しているのではないか。ネットミステリ界が ミステリを介してのコミュニケーションの場へと変質してきたのではないか。 郭公亭さんはそれを悪い事とはしていませんが、コミュニケート しようとするあまり、肝心のミステリコンテンツが薄まってしまうのであれば、 それは問題でしょう。
私自身は、ネットミステリ界(という言葉には若干の違和感があるのですが ……まあそれはおいておいて)の功労者ではないと思っていますが (というか、もうちょっとちゃんとした人が私の代わりをやってくれていれば、 あるいはもうちょっと私が学習し努力していれば どんなにかよかっただろうかと思ったりするのですが)、 ミステリ系サイト群のアーキテクチャのデザインに積極的に関わってきた、 という思いはあります。「みすりん」の頃は何も考えていなくて、 単に面白いコンテンツを作って、それを他人にも見せたかっただけでしたが、 「ミステリ系更新されてますリンク」については、 かなり意識的・自覚的にコンテンツを作ってました。 あのコンテンツは、コミュニケーション支援のために作られた コンテンツなのです。
その結果、問題が起きてしまったのなら、その責任の一端は私にもあるのでしょう。
では、どうすればいいのでしょうか? 単にコミュニケーションを否定することが 解決ではないことは明らかです。それよりも、 コミュニケーションだけではなく、 ミステリそのものの活動や情報を支援するようなコンテンツを作る、というのが、 一番の解決策でしょう。 一つの更新時刻順リンク集がコミュニケーションを活性化できるのであれば、 また別の更新時刻順リンク集が書評や感想を活性化しても不思議ではありません。 ……という考えの元、ミステリの書評や感想へのリンク集を作ってみました。
とはいえ、そのようなコンテンツを新たに作ることと、それを既存のコンテンツと いきなり入れ替えてしまうことは同じではありません。これについては…… まあ、要するに悪戯心によるものです(_o_) いやはや、わがままですみません。 たぶん、最終的には「読書されてますリンク」の方を別URLに移動させることになるかと。 それでも、「ミステリ系更新されてますリンク」を利用している方々に、 もし、このリンク集が日記よりも書評を重視していたら、ネットミステリ界が どうなっていたか、何を得て何を失っていたかを、 少しの間でも考えてみていただければ幸いです。
更新読書されてますリンクですが、自分でも使っていて思わず勘違いしてしまい、
「ああっ、使えねえ!」とか思ってしまったり(<馬鹿)。
火曜いっぱいはこのままのつもりですが、 水曜には復元しているような気がします。弱い。
それはともかく、最大の問題は「読書されてますリンクに自分のサイトがない」ということ だよなあ……。やっぱりちゃんと読まなければ。読んだら感想を書かなければ。
そんなわけで、東直己『ススキノ、ハーフボイルド』【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / eS! / 楽天 / 富士山 】 の 感想は今週中にでも。とりあえず高校生にはおすすめ。 本格ではないですし、ラストはすごーく苦いですけど。
また、「読書されてますリンク」やその前の郭公亭さんの意見について、 いくつかご意見をいただいております。とりいそぎリンクのみ紹介。
郭公亭さんも触れられていますが、そもそも書評ページへのリンク集って どこにリンクすればいいんでしょうね? 現状、書評インデックスページへの リンクになっているところが多いですが、それよりも日記へのリンク集のように、 最新の書評が読める方がいいでしょうか。 また、日記と書評が混ざっている場合は対応が難しそうです。
もちろん、リンク集が整備されることにより、 「なら、せっかくだからうちのサイトでも書評・感想リンク用ページを用意するか」と 思ってくれる人が増えることを狙ってはいます。
あと、リンク集ページのタイトルとして 「書評」でも「感想」でもなく「読書」という単語を使っているのは、 苦肉の策です。 「書評」にしても「感想」にしても「うちはそうじゃない」とカドが立ちそうだったので。
のメンテナンスがあまり進んでなくて申し訳ないです。
ああっと、「更新されてます」にもいちおう尊敬の意味が込められていたんですよ。 だからページではなく名前でリンクしているのです。たぶん。
有里さんへの応援として、'88新青春&ファンタジーフェアのリストをば。
言うまでもなく、『引っ越し貧乏』の帯にあったものです。 「最新刊」「書下し・オリジナル」と書かれています。
うーん、感想が書きにくい……。ので、小出しに。
言ってみれば、「受験生ハードボイルド」。 いきなり本文中に世界史や英語の穴埋め問題が出てきて、それを解いていく高校生が 主役のハードボイルド、というのはあんまり普通じゃないですよね。 この辺のキャラクターの仕込み方はやっぱり東直己だなあ、 と思わせてくれます。
そして結局、このお話全体も、この主人公の若さというか、 煮え切らなさ加減がすべてで、最後に(ちょっと唐突に)明かされる真相が 引き立つのも、この主人公だからこそではあるのでしょう。