ただ、風のために。4 (2001/July)

遠い記憶
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2001/7/1 (日)

■ 原稿

_ if文のバリエーションについていろいろ書く。caseまでは行かず。

■ WebAgent 0.5.2

_ 一歩さんの日記を読んで、WebAgentのバージョンを上げる。 HEADリクエストをつけてみました。「改作」の方はちゃんと読んでない のですが(汗;、たぶん似たようなことやってくれると思います。

_ あ、ソースの分かりにくいところがあったら教えてくださいませ。

■ オブジェクトのクラスを知る

_ 「これって数値? それとも文字列?」ということを やるには、「obj.type」とか「obj.class」とかと書きます。


p "abc".type #=> String
p  100.type  #=> Fixnum
p "100".type #=> String

_ ……って、こういう意味でいいんでしょうか?「str.to_s =~ /^\d+$/」 とは意味が違いますけど。


2001/7/2 (月)

■ ことばがおまえをひからせる/だからわたしはことばをさがす

_ もう少しまともな日本語が使えるになりたいと思い、本を買う。

_ 幸田文の本を読むのは、実ははじめてである。解説の佐伯一麦が 書いているように、ほんとうに「いい文章」。

_ 小川洋子はちょくちょく読んでいるのだけれど、 フィクションじゃないものを買うのははじめてかもしれない。 深町眞理子が解説を書いていたのを知った。

_ 落ち着いた筆致、というのもいいものだ。

■ Ruby256本 ×道編

_ では『北海道編』とか(何を書くんだ何を)。

■ Web標準化ML

_ Web標準化MLの過去ログが 公開されていた。ざっと読んでみる。

_ んー、戦略がまずいんじゃないのかなあ。いきなり 非準拠なサイトに対して準拠させるのが難しい、ということは、 mozillaのページが非準拠だと言われても直せない、という 事実が証明しているようにしか見えない。 たとえば、まずは「××がしたい」という人に対して、 どうすれば××を各種標準に準拠した形で実現するか、 といったノウハウを整備するところから始めた方がいいんじゃ ないだろうか。

_ やっぱり北風路線に走るより、太陽路線で行くべきだと思う。 「rough consensus and running code」重要。


2001/7/3 (火)

■ 言葉の力

_ とりわけ批判的な文章を日記に書くと、その言葉が自分の意図よりも 強く感じられることがある。いや、昨日のWeb標準化MLの話とかも(ちょっと語調を直してみた)。

_ 自分が込めたい力と、相手に与える力がうまく釣り合わない、ということ なのかもしれない。

■ Sablotron本

_ なんて書いておきながら、今日もまた批判めいたことを。

_ 『PHP,Perlで使うXML/XSL〜Sablotronで実現するWEBサイト管理の効率化〜』 【 bk1 / ISIZE / 旭屋 / Jbook / BOL / 紀伊國屋 / amazon / eS! / 富士山 / 本屋さん 】 という本を見つけて(とりわけタイトルに)感動する。 が、中のSablotronの説明を読んでかなり心配になる。 記憶を元に、軽く突っ込んでみる。

_ ……大丈夫なんだろうか。どうもコンテンツ製作寄りの人が書いたっぽい 感じはするので、そのせいかもしれないが、それにしても、である。 別のページではiconvのことを「パッチ」と呼んでるっぽいし……(;_;)(;_;)。

_ 買うべきかどうか、まだ迷い中。もうちょっと信頼できる内容だったら 迷わず買ったんですけどねえ。


2001/7/4 (水)

■ Rubyist!

_ くろっくはちさんの日記より。

_ げ、Last-Modifiedが取れてないんでしたっけ(汗; うーん、それは 設定ミスかもしれません(_o_)。後で直しておくです。

_ ……そうか、HTMLの場合、rubycolor.orgはLast-Modifiedを 返さないのか……。.shtml なら返すのに……。むむむ。

■ オブジェクトとクラス

_ 一歩さんの日記より。

_ 確かにその場合は is_a?(klass) または kind_of?(klass) の方がよさげですね(汗; is_a? というのは、クラスの階層関係があった時に、そのオブジェクトが 引数のクラスの子孫のインスタンスかどうかを調べるためのもの ですね。だから、NumericでもIntegerでもFixnumでもOK。

_ ついでに言うと、case文は比較のために「===」(「=」が3つ)という メソッドを使っています。だから、


if Numeric === obj
  obj = function(obj)
end

_ でもうまくいくんじゃないかと。


2001/7/28 (土)

■ 瀬名秀明講演関連資料について

_ 瀬名秀明SF関連の話題に関して、書きたいことはいろいろあるのですが、 まずは SFセミナー2001の講演関連資料の「形態」について思うところを 書きました。 「Webで参照・言及されるためのコンテンツ公開の方法」です。

_ 瀬名さんに限らず、ぜひ考慮していただきたいです。はい。

■ 『ロボット21世紀』瀬名秀明

_ 瀬名つながりで『ロボット21世紀』【 bk1 / ISIZE / 旭屋 / Jbook / BOL / 紀伊國屋 / amazon / eS! / 富士山 / 本屋さん 】読了。 わたしはロボットよりAI(自然言語が通じるくらいの)に愛があって、 その立場からいうと今のロボットはまだそれほど愛せないのですが、 読み物としても参考資料としても(何のだ)楽しめました。

■ 『マリア様がみてる チェリーブロッサム』今野緒雪

_ 『マリア様がみてる チェリーブロッサム』【 bk1 / ISIZE / 旭屋 / Jbook / BOL / 紀伊國屋 / amazon / eS! / 富士山 / 本屋さん 】も 読了。おおっ、とうとう乃梨子さん瞳子さんが! (^^) 確実に 良くなってますねえ。

■ 『コンパイラの構成と最適化』中田育男

_ 『コンパイラの構成と最適化』【 bk1 / ISIZE / 旭屋 / Jbook / BOL / 紀伊國屋 / amazon / eS! / 富士山 / 本屋さん 】はこの前購入。 9,975円也。 来たるべきRuby VM化時代に備えて、というわけでもないですが。

_ そういえば、「ANTLRでRubyのparse」とかいう話はどうなったのでしょうかね。


2001/7/29 (日)

■ 「これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき」(by 手紙魔まみ)

_ (注: あらかじめ書いておきますが、城平さんは(なぜか私も所属している) 甲影会の関係者なので、以下の文には身贔屓な面があるかもしれません。 あしからず。)

_ 『スパイラル〜推理の絆〜』(作:城平京、画:水野英多)の1〜4を 一気読みする (や、実は1巻しか読んでなかったのでした(汗 つうか、 2巻以降の実物を見たことがなかったという……如何に少年マンガの 売場に行ってないかが分かる……)。

_ ……おもしろいいい!!

_ そっかー、心理系だったんですね(<今ごろ気づくやつ)。 「トリック」を楽しむというより、相手の心理を 読み切り合う、という感じの「対決」を楽しむ、まごうことない 『本格』なミステリ。「操り」の楽しさもあるかも。 とりわけ、3巻から4巻にかけての対決がいい味出してます (特にひよのがいいね!)。うまい。うますぎる〜。

_ あ、「ほんかくてき」といっても、「作者vs読者」という形式の 本格ミステリではないです(たぶん)。そういう意味での『本格』度は かなり弱い。でもでも、これもやっぱり『本格』なのです。

_ ……いちおう(主にミステリ読みではない人のために)基本的な ことをおさらいしておくと。もともと本格ミステリには、 「作者vs読者」という軸と「探偵vs犯人」という軸があります。 前者は作者が仕掛けたトリックやアリバイを読者が見抜けるか どうか、後者は犯人が仕掛けたトリックやアリバイを読者が 見抜けるかどうか、ということです。「読者への挑戦状」みたいなのは もろに「作者vs読者」であって、「探偵vs犯人」とは全く関係 ありません。

_ どちらかというと、一般的な意味での「本格ミステリ」というのは、 「作者vs読者」の方を重視しています。でも、作者が作品の中に、 どのように「推理」を仕込んでいくか、そしてそれをどのように明かしていくか、 さらにそれをどのようにストーリーに絡めていくか、という技巧は、 「探偵vs犯人」に関しても同様に必要になります。そして、 それがしっかり書けているものを「本格ミステリ」を呼ぶことに、 何も問題はないはずです(もちろん、単に探偵と犯人が対決する だけじゃ本格ミステリにはなりません)。

_ 『スパイラル』では、「作者vs読者」にはあまり重点を置かず、 「探偵vs犯人」の論理/推理/心理戦に重点を置いています。これは 「キャラクター重視」という、マンガではほぼ必然的に要求される特徴と 「本格」とを両立させなければならない、という事情からすると、 実に正しい選択です。

_ というのも、「作者vs読者」をまじでやってしまうと、読者に伝える 情報を制限しなくちゃいけないために、キャラクターの書き方が 中途半端になりやすい恐れがあります。さらに、決まった型の話に なりやすいので、キャラクター寄りのストーリーがどうしても 余計なものになりがちになる。これはキャラクターを重視する立場としては 非常に辛い。

_ その点、「探偵vs犯人」の「推理」をメインに置くなら、キャラクターの動き (心も体も)を、「本格」成分を損ねること なしに、無理のない形でしっかり書き込めるわけですね。 さらに、「心理」を中心に据えることが、 「『信じること』の強さ・大切さ」という、 (このマンガの主要ターゲットである)少年少女向けのメッセージを 打ち出すことのベースにもなっているのも見逃せません。 見事です。

_ (というわけで、そのひよののセリフも、4巻p.108で明らかになる、ひよのの「推理」の伏線と 見るべきでしょう。つまり、そこすらも「ミステリ以外の部分」ではなく、 もろに「ミステリの部分」になっている、と。このような、ミステリ成分と キャラクター成分が不可分なまでに一体になっていることが、 このマンガのすごさじゃないかと思うです >くろっくはちさん(と、いきなり振ってみる))

_ 自信を持ってお勧めできるシリーズです。どうぞ。

_ なお、「手紙魔まみ」については、 穂村弘の最新短歌集、『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』 【 bk1 / ISIZE / 旭屋 / Jbook / BOL / 紀伊國屋 / amazon / eS! / 富士山 / 本屋さん 】を参照のこと。冒頭の一言はここに収録されている 短歌からの引用です。

■ 夏コミ

_ というわけで、甲影会は今年の夏コミにも参加します。 スペースは11日(土)西そ15です。コミケ新刊としては、 「近藤史恵特集」と「天城一特集3」ですね。他にも出るかも しれません(間に合わないかも……)。


2001/7/30 (月)

■ 訂正

_ 昨日の夏コミの件ですが、 スペースの表記がヘンでした(_o_) すでに直しておきましたが、 「11日(土)西そ15」が正解です。すみません。

_ それと、 おとといの日記で 「瀬名秀明レポート」となっていたのも「講演関連資料」に修正 しました(_o_)

■ SFファンへのメッセージ(パロディ)

_ これも瀬名秀明SFコンタクト関連(たぶん)。

_UNIXユーザへのメッセージ〜初心者へ、そして先行者へ〜」という、 法林浩之さん(JUS(日本UNIXユーザ会)の理事(じゃなくて 「幹事」でした(_o_) 8/1修正))による発表資料があります。 これは、今年の6月に沖縄インターネット協議会のイベントで発表されたもの だそうですが、これはSFファン(には限らないけど)のコミュニティにも 通じるところが大きいと思います。試しに、 これのHTML版を参考に、それっぽく置き換えてみました。


(略)

手本にされる存在であることを自覚

他のグループと仲良くする

昔話よりも未来を語ろう

忙しくなったら

まとめ


_ ……こういうのはSF力(ぢから)の弱い私なんかが言っても意味がなくって、 たぶんそれなりに声も態度も大きい先行者なSFファンの方が 言うべきですよね。そうして、SF右翼な人(UNIXユーザで言うところの、 「X Windowsって何ですか?」とか「man 2 vfork」 みたいなメールを書くひとたち、でしょうか)と 丁々発止と刺激し合っている図というのが、正しい活性化のさせ方のように 思います。


2001/7/31 (火)

■ 山田風太郎

_ 山田風太郎が死んだ。

_ 突然の事で驚いた、という人は、おそらくいないだろう。 さほど遠くはないと、みな、うすうす思っていただろうから。

_ 北大推理研ではじめてその名を知った。正直、今でも、 山風の何が分かっているのか、と言われると、何もわかって ないですすみません、という気持ちになる。が、山風好きが 楽しそうに山風を語るのを聞いているのは気持ちよい。

_ 謹しんで御冥福をお祈りいたします。





written by Maki (maki@open-news.com)
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