Last Update: 2002-03-29
90年代以降にデビューしたコバルト作家の中で、 私のイチ押しの作家さんは 浩祥まきこ さんです。
で、著作リストであります。簡単な感想もつけてみました。 早く商業誌に復帰してほしい今日このごろ。
主人公、吉田奈緒子の両親が転勤したので、岩下さんが「さみしくない ように」と4人のコピー人間を作ってくれた。そして5人で「正義の味方」 を目指すことに……って、いったいどんな話なのだ?! と思わせるような設定ながら、読んでみるとのほほんと幸せに なれるような、そんな初単行本作品。話の運びや文章はまだ ちょっと硬いかも。
集英社コバルト文庫 1996年9月10日発行 ISBN 4-08-614236-8 P420E
『「あんた、ごむにんげんだろ」―それは、恋の始まり。』 というすごい帯のついた、ちょっと長めの短編の表題作と、 中篇の2作を収録。 この表題作は傑作。高崎の心のやさしさと固さと痛み、そして ごむぞうの暖かさが、どうにも無理な設定を素晴しい物へと 変える。あざやかな魔法のような、不思議に素敵な物語。
集英社コバルト文庫 1997年10月10日発行 ISBN 4-08-614381-x \438E
学園物。鈴木祥子ファンには応えられないタイトルはもちろん、 作品の出来も素晴しい。話のどこかに非現実性を折り混ぜる ふだんの作風と違い、この作品ではそのままリアルな学校生活の 話。3人の女の子の視点から、「生きがたさ」を抱える彼女たちが その痛みを乗り越えて生きていこうとする様には心が動かされ ます。とにかくおすすめ。
集英社コバルト文庫 1998年9月10日発行 ISBN 4-08-614502-2 \476E
紺野キタさんのイラストも素敵な一冊。作品としては、 「ひみつの階段」のような……というとちょっと語弊がある けれど、とにかくちょっと不思議なことがある学校での物語。 舞台そのものはいつもながらのちょっと不思議でのほほんと した感じでいいんだけれど、設定に若干ヘビーな点があって、 正直ちょっと辛い。でも、最後はファンへのサービスも あってうれしい感じ。
集英社コバルト文庫 1998年9月10日発行 ISBN 4-08-614502-2 \476E
コバルト読者大賞受賞作。内容は同名書籍の掲載作と同じはず。
Cobalt 1996年2月号 p.?-? イラスト・? (すみません、手元にこの号がないもんで……。)
(準備中)
Cobalt 1996年4月号 p.119-129 イラスト・穂波ゆきね
(準備中)
Cobalt 1996年6月号 p.299-310 イラスト・シラトリユリ
大傑作。「わたしはカメのエリザベス。」という人を食った冒頭 に始まりながら、ラストには感動の涙が止まらない、浩祥まきこ の真骨頂とも言える作品。 以前某所でこの作品を、「川原泉『森には真理が落ちている』に 勝るとも劣らない、カメファンタジーの傑作」と評したが、 今なら『かめくん』も入れて日本三大カメ話としてもいいかも(謎)
Cobalt 1997年10月号 p.80-90 イラスト・シラトリユリ
(準備中)
Cobalt 1998年2月号 p.121-129 イラスト・遠山雷太
ボーイズラブ特集の一作。浩祥まきこもついにホモホモ路線か?! とちょっと心配になったが、別にそうでもなかった。タイトルは 長編と同じ(発表されたのはこちらが先)なのだけれど、 舞台が同じで時間軸がずれている。
Cobalt 1998年10月号 p.244-254 イラスト・くさなぎ俊祈
これもいい話。明示的には書かれていないけれど、某症候群を 題材にしているところは興味深い。話の運びにはちょっと 無理を感じるところもあるかな? なお、この作品のイラストが 竹岡美穂の初仕事で、竹岡姉妹ファンとしても重要な作品。
Cobalt 1998年12月号 p.42-52 イラスト・竹岡美穂
トリッキー。というか、初読ではなんだかちょっとよく 判らなかったり(汗。なるほどねえ、と思う一方、作品の味わい としては物足りないところがあるのも確か。
Cobalt 1998年2月号 p.301-311 イラスト・緑山りょう
「のほほんの生活」その1・おてがみ
若手作家のフレッシュエッセイ Writers' Square Cobalt 1996年12月号 (イラスト・シラトリユリ)
「のほほんの生活」その2・ねがお
若手作家のフレッシュエッセイ Writers' Square Cobalt 1997年2月号 (イラスト・シラトリユリ)
「のほほんの生活」その3・体内時計
若手作家のフレッシュエッセイ Writers' Square Cobalt 1997年4月号 (イラスト・シラトリユリ)
高橋(maki@rubycolor.org)