Cobaltとボーイズ・ラブ

雑誌Cobaltでのボーイズ・ラブの変遷についてまとめてみました。

Cobaltでボイーズ・ラブ特集が組まれたのは1998年10月号が最初のようです。 このときは、さいきなおこ・図子慧・浩祥まきこ・綾乃なつきという 謎の面子で、まあ、あっさりしたものでした。エロホモな挿絵もなかったですし。

Cobalt誌上でボーイズ・ラブが本格化したのは2000年後半からの ようです。2000年10月号のボーイズ・ラブ特集は、マンガと小説を 合わせると実に9作品が特集に組み込まれていました。そして、 2001年2月号(もしかしたら2000年12月号かも)からは、 「Cobalt BOY'S LOVE Selection」なるものが始まってしまいました。 『地に落ちた少女向けライトノベルの金字塔コバルト』と2chの ライトノベル反ホモホモ化勢力の人々に嘆かれたのはこの頃です。

別にボーイズ・ラブの存在自体は悪いことではないと思います。 むしろ、そのようなジャンルを欲している人がいるのに、無理に 抑圧する方が問題でしょう。ですが、 ボーイズ・ラブを扱う雑誌は他にもあるのに、 少女向けライトノベルを扱う雑誌はほとんどCobaltだけなのです。 だからこそ、何もここまでボーイズ・ラブが侵食してこなくてもいいのに、 というのが反ホモホモな人たちの総意だったと思います。

そんな反ホモホモな人たちの希望は、 思ったよりもあっさりと叶ってしまいます。 2001年10月号のボーイズ・ラブ特集を最後に、 Cobaltでのボーイズ・ラブ勢力は衰退を始めます。 「BOY'S LOVE Selection」もいつの間にかなくなりました。 そして2002年2月号で、残っていた連載も終了し、4月号には ボーイズ・ラブを掲げた作品は一切掲載されていません。

でも、これは非ホモホモな作品が望まれるようになった、 というより、単にボーイズ・ラブがさほど売れなくなってきた、 ということなのかもしれません。出版業界全体が「構造不況」などと 囁かれる中、Cobaltとしてはボーイズ・ラブが一縷の望みだった、 という可能性もあります。 厳しい時代なのかもしれませんが、これからも Cobaltには頑張ってほしいと思います。

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TAKAHASHI 'Maki' Masayoshi(maki@rubycolor.org)